高齢者住宅難民化の解消
山本 遼氏
(株)R65
【セコンド】進矢 光明
65歳未満はお断り。高齢者に特化した不動産ビジネスで、高齢者の生活を守る。
高齢化の進む社会における「住」は重要なテーマのひとつ。“高齢者が賃貸住宅を契約しにくい”というあまり一般的には知られていない課題に対する有意義なプロジェクトであることを高く評価しました。
広島でのネットワークを着実に広げ、ご自身も移住を検討されるほど社会課題に真っ直ぐ向き合う姿勢はまさにリング上の挑戦者。また、地場企業にお勤めのビジネスマンであるセコンドは、全くの門外漢のテーマに向き合う挑戦者に対し、文字通りなりふり構わない献身的なサポートをされました。広島県における本プロジェクトの有意義性と強い絆で結ばれたタッグの姿に、事務局一同ノックアウトです。
★受賞者のコメント
広島県出身の起業家として、MVPをいただき大変嬉しく思います。私たちR65不動産は、65歳以上のお部屋探しを専門で行う不動産会社として、ご高齢者が賃貸住宅を借りづらい問題の解決を行ってきました。おかげさまで、高齢者の住宅難民に関する認知度も高まり、徐々に「高齢者に貸したい」と言っていただける機会が増えてきています。今回のRING HIROSHIMAでは、これまで部分的に進めてきた不動産会社や地方自治体との連携を一歩前に進め、地域に深く根ざした活動を行うことを目的としてきました。結果としては、コロナ禍の影響で、制約がある中での活動でしたが、4社の不動産会社様との連携が決まっています。
ここまで来れたのは、多くの方々にご協力いただけたおかげです。ありがとうございました。今後はより一層根本的な問題解決を目指し、地域支援包括センターや、より多くの不動産会社と連携を図ることで、いくつになっても好きな場所に住める社会を実現していきます。
笑顔寄付システム
辻 早紀氏
(一社)One Smile Foundation
【セコンド】樗木 勇人・森坂 翔太
笑顔の分だけ寄付が送られ、笑顔が生む幸福の連鎖や地域コミュニティ活性までウェルビーイングな社会を。
このアイディアで本気で世界を変えようとするバイタリティあふれる挑戦者。脇に控えるのは冷静でしたたかで、幅広いネットワークを持つセコンド陣。実証実験では、実際に利用者の方々から笑顔が溢れ、寄付が生まれるという鋭いアッパーカットが炸裂。一見無謀に見える本プロジェクトが挑戦者とセコンドの強力な補完関係を元に現実になったことを目の当たりにしました。
挑戦者の力強い推進力をセコンドがうまくガイドし、廿日市市での継続した取り組みも決まりつつあるとのこと。セコンドとの関係性にとどまらず、その先のステークホルダーにまで笑顔の輪を広げた本チームはまさにグッドパートナーシップと言わざるを得ないでしょう。
★受賞者のコメント
One Smile Foundationの取り組みは、前例がなく構想規模が大きいだけに、いつも誰かに説明をする際、どこまで話すかについて悩むことが多くあります。というのも、これまでの活動も国際会議や国連など海外を中心とした活動であったことから、今回、RING HIROSHIMA事業に採択された当初も、温度感など手探りの状態でした。
しかし、セコンドを始め県の職員や事務局の即断即決の即行動に、自分も一気にギアを切り替えることができ、行けるところまで構想アイデアを実践することができたと思います。
相性が良かったと言ってしまえばそれまでの話ですが、RING HIROSHIMAとの出会いは、One Smile Foundationにとって大きなブレイクスルーの一つであったと言えるでしょう。
昼夜問わず、もはや県外まで飛び出して駆け回った挑戦者とセコンドのチームワークは、青春そのもの。今回のThe Good Partnership賞は私たちのために用意されたものだと言っても過言ではありません
「幸せになればなるほど、世界は勝手に良くなっていく」
RING HIROSHIMAを通じて、そんな世界がまた一歩近づきました。
牡蠣養殖用プラ/
塩ビパイプの篠竹への転換
谷川 裕之氏
山海環
【セコンド】岸 拓真・向谷 裕次
プラスチックから竹へ。竹害の低減・里山や河川環境の改善・新たな雇用の創出・美しい瀬戸内海を実現。
あまり知られていない牡蠣イカダの抱える社会課題に真っ直ぐ光を当てた本チームの着眼点とその実直な姿勢を高く評価しました。その堅実で力強い活動は、重たいボディブローさながらに敵を膝からリングに沈めることでしょう。実証実験段階では、挑戦者は可能性を足で稼ぎ、人をつなぎ、まるで新人ボクサーの下積みのような時間をひたすら真面目にこなしてくださいました。
さらに本プロジェクトが示唆するものは、牡蠣という広島の誇るべきコンテンツが抱える環境問題だけでなく、高齢者の雇用の問題などにも派生するという広い視点です。そしてその解決の糸口をこのタッグならきっといつの日かやり遂げてくれる!という確信をもって、この賞を贈ります。
★受賞者のコメント
私の好きな広島の里海はいま、プラスチック製のごみで溢れています。
その解決には、「生分解性プラスチック」、「バイオプラスチック」など。でも所詮「プラスチック」。だったら、自然界にあるもの、地域課題となっているもので解決できないのか、すべてはそこから始まりました。
RING HIROSHIMAの20件の中でも超アナログな実証実験です。篠竹を伐って運ぶのも、切断・穿孔するのも、検品するのもすべて人間、それも多くの人手を必要とし、効率化の対極にあるものです。でもそうやらなければ実現できない課題もあるのでは、と思っています。
放置された竹やぶが地球環境の改善に役立つのを知ってもらうこと、そして人が竹とタッグを組んで豊かな里海(瀬戸内海)に戻してゆくための道のりに、最初の一歩、いや、数センチ足を前に出しました。
末筆ながら、今回の実証実験に対してご支援いただいた広島県イノベーション推進チーム、事務局、そしてセコンドのお二人に心より感謝申し上げます。